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COLUMNコラム

2022.02.16

ピンチの今こそ、チャンスです!

2022年も1ヶ月以上過ぎましたが、新型コロナウィルス、オミクロン株の勢いが止まりません。ニュースでは毎日過去最大の感染者の記録が更新され、身近でも感染の話を聞くようになりました。

 

感染者が多いと濃厚接触者も多くなります。自宅待機期間も10日から7日間に短縮されました。出社可能日が最終接触日から数えて何日目になるのかについて自治体でも考え方が異なり、現場では混乱も起きています。

 

今回の特徴は、感染力が予想以上に強いこと、子どもの感染者が増えていることです。

 

重症化が少なく自宅療養者が多いため

「陽性だったけれど、無症状なので在宅で仕事をさせても良いか」

「保育園の休園や小学校の学年閉鎖がいつまで続くかわからないので、前回のように特別休暇で休ませるのではなく、在宅勤務してもらって良いか」

「子どもを見ながら仕事をしている従業員に100%の給料を払うべきか」

 

など,前回のデルタ株のピーク時とは違う問合せが多いと感じています。重症化しにくいとは言われているものの、感染した人は「普通の風邪とはやはり違っている」とも話します。

 

このような状況の中、企業はどう対応したら良いのでしょうか?

 

社員1人1人が自分に出来る感染対策は続けた上で、企業としてできることとしては、大きく3つのポイントがあります。

 

  • 1つ目は、それぞれの大切なものを大切にする事。遠慮はせずに対話を心がける事。お互い様という気持ちを持つ事。
  • 2つ目は、前例主義で考えず、その時に最適な選択をする事。
  • 3つ目は、社員が感染した時のリスクは前もって考えておく事。属人化をやめ、仕組み化するチャンスと捉える事。

 

 

 

1.対話を心がけ、一人ひとりの価値観を大切にする

今回は12歳未満の子どもにも感染が広がっている事が大きな特徴と言えます。12歳未満へのワクチン接種も、本人は年齢的に判断が難しいため、保護者が選択を迫られます。このような状況なので、両親に非はありません。しかし、子どもを抱えながら在宅勤務をするとパフォーマンスが下がると感じたり、申し訳ないと思う社員も多いようです。一方、子どもがいて短時間勤務になっても、いつも通りの成果を出している社員もいるでしょう。

 

年始や年度末など繁忙期と重なってくる場合には、直前でも有給申請を認めたり、通常は認めていない夜間の在宅ワークを認めるなど、企業側には柔軟な対応も必要となるかもしれません。

 

社員の抱える事情はそれぞれ異なります。育児中の社員が感染に関して繊細になるのは周囲にもわかりやすいでしょう。しかし、介護中の家族がいる社員や、持病がある社員も感染に関しては相当繊細になっています。私も高齢の義父が地方にいますが、年始からまた帰省しづらい状況が続いています。

 

社員それぞれに異なる背景や事情があります。こんな状況だからこそ、仕事以外のことでも、話せる範囲で自身にとって大切な事を周囲に伝えた方が、もしもの場合の協力体制などに良い影響があるのではないでしょうか。

 

3回目の予防接種についても、人によって考え方が異なります。「ワクチンハラスメント」なる言葉まで登場し、この相談も後をたちません。ワクチンへの考え方も人それぞれですし、自分の考えを押し付ける事は出来ません。お互い様の気持ちも大切です。私も社内のメンバーと、それぞれの優先順位について対話を重ねたからこそ、見えてきたものがありました。

 

 

2.前例主義で考えず、その時に最適な選択をする

前回のデルタ株の流行では、保育園の休園はそれほど多くなかったため、顧問先には「特別休暇を創設し、両立支援助成金を使う方法もある」事をご提案していました。実際前回はそのように対応した会社もあります。

 

しかし、今回は想定以上に休園している保育園が期間も長引いている事から、特別休暇ではなく在宅勤務を選択している会社が多いです。

 

ところが、実際は在宅勤務出来る仕事だけとも限りません。そのような会社の中には、子連れ出勤を認めた会社もあります。これを機会に仕事に穴が開かないように、補完関係を整えた法人、例えば保育士がやるべき仕事の中で、保育士以外でも出来ることは例えば調理師などにその仕事を任せることを始めた会社もあります。

 

 

3.社員が感染した時などのリスクに備え、仕事を仕組み化する

今年は、男性育休やハラスメントも法改正を控えています。エース社員が半年休むと急遽決めた場合、貴社の現場からはどんな声が聞こえてきそうでしょうか。

 

相談窓口ではどんな対応が迫られますか?
在宅勤務の制度は続けますか?
特別な事情の時だけ認めますか?

 

また、高年齢まで働く社会の実現を目指した場合、どの会社にとっても病気や介護と仕事の両立は避けては通れない大きなテーマです。今、社員が感染した場合のシナリオを考えて準備する事は、これらの課題の事前準備となるはずです。

 

貴社では、ベテラン社員だけでなく、新入社員でも在宅勤務が出来そうでしょうか?
上司や同僚はフォロー出来そうですか?

 

私が所属する会社も、各顧問先は2人体制で対応し、万が一どちらかが休んでももう一人が対応できるようにしています。給与計算や手続き業務はダブルキャスト化にほぼ成功していますが、全員が在宅になった場合どうするかも考えなくてはなりません。

 

会社にビジョンがあるように、個々の社員にも大切にしている個のキャリアビジョンや欲求があります。

 

休業などで少し時間に余裕がある場合には、部下とそんな話もしてみるのも良いかもしれません。雑談なども社内の雰囲気作りには大切です。日頃からコミュニケーションをとっておくことで、ピンチの時には、人間が本来持っている意外な力が発揮されます。

 

せっかくの機会、このピンチをチャンスに変えて進んで行きましょう

 

この流行がピークアウトとなるのか、新たな波が来るのかは誰にもわかりません。コロナ対応も3年目ともなると皆相当疲れてきています。

 

我が家の大学生の子供も、もう勘弁してほしいと話しています。私も、お弁当作りは卒業だったはずが、何となくオンライン授業のためのお昼ご飯を作り続けています。それでも、夜ご飯の仕込みが子供と一緒に出来たり、たまには子供が夜ご飯を作ってくれたり、良いこともあります。

 

揺られるがまま流行の波に酔うのではなく、船の舵はそれぞれの会社が自分で握る。その時々で大切なものを選択しながら進んだ先、ピンチをチャンスに変えて進んだ先には、それぞれの個の成長、会社の成長、日本の成熟した姿があると信じています。

 

鎌田 良子

鎌田 良子

特定社会保険労務士

担当地域:全国

週4正社員®︎制度を導入する社労士法人に勤務し、自ら新しい働き方を実践中。法律論だけでなく、経営者が大切にしている事を軸に、社員の強みが活かされ、会社が発展するしくみ、最適なアプローチを提案しています。